








*絵本の表紙はシルクスクリーン印刷。すべてインクの色が異なります。どんな色味のものが届くかは、お楽しみです!
絵本「ろいろい とさちょう」はジャバラ型の絵本。長いページを伸ばすと、そこには土佐町に実在する町の人の姿や自然、伝統文化や歴史、風習が描かれています。表面には春と夏、裏面には秋と冬の町の様子が描かれ、繋がっている絵をくるりと円にすると一年がひと繋がりに。この形状は循環する季節や時間を表しています。
2018年からスタートした絵本の制作は、コロナ禍を挟んで約5年をかけた長期プロジェクトとなり、2023年春、ついに完成しました。
10年20年と長く読み継がれる絵本。子どもも大人も楽しめるような内容でありながら、深く大事なものを伝えるような絵本。土佐町の方々が「これは自分たちの絵本だ」と心から感じられる絵本。そういったものを目標に制作しました。この絵本の舞台は土佐町ですが、どこに住んでいようと共感してもらえる内容になっていると思います。
【四季の風景】
表面の春から夏のページには、山菜の収穫や稲叢山の桜を、伝統行事である虫送りや川遊び、歴史ある酒蔵である桂月の前に飛ぶ蛍、夏祭りを。
秋から冬のページには、多くの参拝客が訪れたという高峯神社、土佐和紙の原料となるかじ蒸し、町の主要産業の一つである林業を生業とする山師の方の話、棚田や移り変わる町の風景を。
制作にあたり、町の人に写真や資料をお借りし、歴史的な背景を知るため神社の宮司さんにお話を伺ったり、たくさんの人にお世話になりました。町の人たちにご協力をいただいたからこそ描くことができた風景の数々です。
【手作りの絵本】
表紙、裏表紙はシルクスクリーン印刷で一枚ずつ手で印刷しています。数色のインクを使って手で印刷することで一枚ずつ異なるグラデーションが生まれ、全てが違う一枚になっています。
また、製本作業も手作業で行っています。ジャバラになるように絵を一枚ずつ貼り合わせ、表紙と裏表紙を貼り付けています。これらの作業を土佐町を含む高知県嶺北地域の労継続支援B型事業所「どんぐり」と「ファースト」へ依頼、それが事業所や利用者さんの工賃となっています。
まさに人の手を通った、手作り絵本となっています。
写真1枚目:
表紙はシルクスクリーン印刷。1枚ずつ手で印刷しています。インクのグラデーションも1枚ずつ違います。どんな色のものが届くかはお楽しみ!
写真2枚目:虫送りのページ
写真3枚目:高峯神社のページ
写真4枚目:土佐町の中心地・田井の街並みのページ
写真5枚目:高知名物皿鉢料理を囲んでおきゃくのページ
写真6,7枚目:解説書もついています。各絵に描かれている伝統行事や歴史、文化などを詳しく解説。
写真8枚目:表裏表紙の印刷は就労継続支援B型作業所のどんぐり(土佐町)とファースト(大豊町)のメンバーさんに依頼。
写真9枚目:製本作業を担ってくれたのもどんぐりとファーストの皆さん。のりで丁寧に貼り合わせ、ページを作ります。